今回はふと個人開発をしていて有料アセットや誰かの作った素材を使うことについてずっと違和感があったので考えを整理したいため記事にしてみました。
この記事を通して同じような悩みを持っている方の参考になれば幸いです。
デザインができないから辛い話
以前、個人開発をしていてデザイン(絵が書けない)から苦労するという記事を書きました。
絵が書けない場合に無料や有料のアセットを使うことになると思うのですが
そこに感じる開発者としての違和感やモヤモヤについて記事にしてみることにしました。
実際アセットを使うことはどうなのか
個人的にゲーム開発において「アセットを使うことは場合による」と考えています。
使うべき、使わないでおくべきというのは他人が決めることではありませんので今回はあくまで「私のゲーム開発において」どういう立ち位置になるかを考えてみました。
アセットを積極的に使う場合、下記のような理由が考えられます。
作るゲームにビジネス的な意味合い、アイディアを見せるためなどの「別の目的」がある場合は開発する際はアセットを使う方が良いように感じます。
ただ一部の人が購入した方が早い素材を頑張って自作されているのを見ると
「アセットを積極的に使うのに抵抗がある方」も少なからずいるのではないかと感じています。
私も可能であれば自作したくなる気持ちが湧いてくるので
「それが何故なのか、どこまでこだわれば良いのか」ということを今回はまとめてみたいと思います。
アセット利用に気づくケース
あくまで私の経験ベースですが、ゲームをプレイした時に悪意なく無意識に感じてしまうのは「あっ(この素材どこかで…)」ということがあったりします。
私ごときが気付くということは、ほか開発者、ある程度ゲーム数をこなしている方、DTMに詳しい人など「ん?」と気づく可能性はありそうです。
Xbox360のインディーゲームをプレイした時の話
昔Xbox360のインディーゲームをプレイした時の話だと
全体的にゲームのBGMはオシャレでかっこ良いと思っていたのですが
ある曲で聴いたことあるフレーズが流れてきて
これガレージバンド(アップル)のループ素材だ
と気づいたことがありました。
その時の経験から
一つでも気づいてしまうと「そうだったのか…」と
「他のも素材なのかな?」と疑心暗鬼になったりする心境でした。
全体的に手作り感を売りにしてる雰囲気もあって「そうだったんだ…」と感じた思い出があります。
個人開発で「オリジナル素材は武器」
個人開発はハンドメイドみたいな付加価値があると思っていて
クオリティに関係なく手作り感やその努力が見えるからこそ、応援されたりするケースもあるように感じてます。
正直なところ制作コストは高過ぎですが、実際作ってる人を見ると「これを一人で…すごい!」とびっくりすることもあったりします。
野田クリスタルさんのケース
例えば今となっては野田ゲーで有名な野田クリスタルさん。
もちろん芸人という付加価値が一番大きいですが
Windowsのペイントを使って絵が粗いなりに自分で描いてるからこそ、価値が生まれているように感じます。
もし野田さんが購入したアセットでクオリティを高いものを開発したとして、それは「今の完全自作ゲームを発信している野田ゲー」よりも価値があるかと言われると「何か違う」感があります。
SNSでは手作りは評価されやすい?
たまにTwitterなどで自作したもの、自分で描いた絵で動かしたりしてるからこそ
バズっていることが多いように感じることがあります。
深層心理ではオリジナル素材というのは
「今時、絶対必要ではないけど…そうであったら良いな」ぐらいの感覚なのかもしれません。
クオリティが高いのが前提になるかもしれないのですが、手作りした後押しがあればあるほど「この人やっぱりすごい!」と全体的な反応が良い傾向があるような気がしています。
アセット素材で「モヤモヤ」する時
例えば私の場合となりますが食品添加物などは美味しいけど
少しモヤモヤした気持ちで食べてしまうことがあります。
他にはダイエット中にスイーツを
食べてしまうのにも似ているかもしれませんね…
あくまで私のような古いゲーマーに限るの話かもしれないのですが
下記のようにモヤモヤしてしまうこともありえるかもしれません。
コンシューマゲームのようなゲームにこだわりを沢山詰め込んだタイトルほど頭をよぎってしまいそうです。
ユーザーには心のモヤモヤをなくしてゲームに集中してもらいたいという気持ちもありそうです。
おそらく気になるのは「マニアックな人」だけ
ただ食品やアセット素材もそうですが、そう思うのは
マニアックな人たちだけです。
食品なら普段から健康にこだわっている人とか
ゲームで言えばヘビーユーザーと言えるかもしれません
なので自分なりに気にならないならアセット素材を使っても良いように感じます。
ただヘビーユーザーをスルーしてライトユーザーだけにターゲットを絞ることに一抹の不安も感じていたりもします。
ライトユーザーはすぐ離れる?
今の社会的な構造は複雑なため個人ゲーム開発にこれが当てはまるか、わからないのですが
一般的にはライトユーザーは簡単に離れてしまう印象があります。
よくお笑い芸人なんかでもアイドル枠ってあったりしますよね。
アイドル枠は歳を取ったり旬が過ぎる(メリットがなくなる)と切り捨て、乗り換えが起きやすいように思います。
逆にベテランになってから売れる芸人さんは
そう言った方は若さ(いずれなくなる魅力)を使わず実力でファンを獲得してきたので息が長いような感覚があります。
バイキングの小峠さんが「若い子のファンがいないけど今のファンは死ぬまでファンでいてくれる」みたいなことを言っていたのが印象的でした。
それをゲームで例えてみるとヘビーユーザー化してくれた人たちは
何年も昔のゲームを応援してくれたり、長期的にプラスになる可能性もあるのかもしれません。
昔ゲームをしていた人たちが昔のゲームのリメイクに熱狂している姿を見ているとそれに感じずにはいられませんでした。
ヘビーユーザーを狙わないメリットもある
その反面、昨今のスマホ普及に伴って
昔からゲームプレイしていないライトユーザーの方々もかなり多くなっている印象です。
なので最初から細かく作り込んだとしても響かない場合も多そうです。
何年もかけて手作りして少数の人にしか
響かないのもなかなか辛そうです…
そうすると必然的にコスト、ビジネス、マネタイズを考えると
まず低コストで利用できるアセットを利用をする方が合理的だとも感じます。
その開発においての優先順位を考えて選択することが
重要な気がしてきました。
次のページ
次のページでは「どの程度までアセットを使えば許されるか」という私なりのボーダーラインを考えてみたのでそれをお伝えしていきます。
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