先日Unityの価格プランの変更が突然発表され業界に衝撃が走りました。
今回の件で起きそうなことや将来的にどうなるか、今後どうしていくのかを考察をしたいと思います。
今回の変更点
アナウンスされた内容はこちらで「値段を上げますよ」って内容になっています。
これを見たゲーム開発者や企業から様々な意見が飛び交い、すでに炎上状態と言ってもおかしくないような状況になっています。
ゲーム業界ってそこまで多いわけではないので
ここまで騒がれるのはかなり珍しいです
そして値上げされたプランはこちら
簡単に言うとプランに併せて「アプリ売上&アプリのインストール台数」の条件を満たす人にさらに「インストール台数に応じたお金を取ります」ということだと思います。
ほう…個人ではなかなか関係の無いように思えますねぇ
累進課税ではない…?
そしてインストール台数が増えるに従ってインストール単価が下がるというよくわからない構造になっています。
年収が上がれば上がるほど税金が上がる累進課税的ものかなと思ったら
インストールすればするほど安くなっていて新規タイトルほどきつくなる構造になっているような…
しかもメイン市場は日本のアプリで
米ドル換算はつらいだろうな…
Personal版とPro版で値が違う (追記)
収益とインストール台数がPersonal版とPro版では違うようです。
ある程度、売上がある人には
Pro版に移行してもらいたい意図も感じられますね
これを超える人はかなり少ない
ただし、このハードルを超えられる個人開発者はなかなかいないと思うので
一部の利用者の間では「気にするほどのことではない」という発言も多く見受けられました。
しかし、そうでしょうか…私はあまりそのように感じませんでした。
その理由についてお伝えします。
企業の負担が高くなる
前提として多人数で開発している企業だと、さきほどのハードルを簡単に超えられるほどの売上があると想定できます。すると
そのロイヤリティ(税金)が上がることを嫌がるのは当たり前のことだと思います。
そして大きな売上がある企業がUnityを使い続けるメリットはあるのでしょうか?
使わない選択する企業が増えてもおかしくない…
会社の業務形態と資本力次第とはなりますが、企業や売上次第では他のゲームエンジンに移行したり、自社で開発し直した方が安くつくケースも出てきます。
数ヶ月前に税金上げますなんて言われたら
たまらない気持ちもわかります
脱Unityが進むと…
大きな売上がある企業が抜けるとすれば
誰かがUnity運営の負担を強いられることになること必至です。
それが今回の増額分でその穴を埋められるのかも怪しいので
将来、その穴を埋めるのは小さなインディー開発者の可能性すらあります。
そのインディーすらも逃げだして
「そして誰もいなくなった」状態に…
Unityのメリットを振り返る
Unityがなぜ市場で優位だと思われてきたといえば
その価格の手頃さと開発情報の多さです。
クオリティの面で行くと歴史や実績から考えても
アンリアルエンジンに軍配が上がってしまいます
そして使っている人が多いとバグも少なく
開発情報も多く出回りますので使いやすいツールになりやすいです。
安定度が高いと開発費も下がるメリットがあり(バグが起きにくいので開発期間が短くなる)
大中小規模、どのチームでも使いやすい印象がありました。
今回の変更によって長所が失われる?
そして今回のことでその長所が長期的に見ると失われる可能性がありえます。
企業からすれば一度でも強行的に規約を変更すると
また変更されるのではないかという不信感を抱きかねません。
急ハンドルきられるのは怖いですものね
私も以前ポストした内容でもそのことについて触れていました。
今の規約というより今後Unity規約が変わることへの不安が一番大きいかも
— Tadapy@ゲーム制作 (@tadapy88) September 13, 2023
なので他のゲームエンジンを検討する企業すら出てきてもおかしくないと考えています。
実際に「使わない宣言」をしている人々
海外インディーズでももう辞める宣言も飛び交ったりしています。
あまりに突然で数ヶ月後に実施するなんて生活をUnityに依存している人からすれば
理不尽でしかないので理解はできます。
私たちは、イージーポーザーによって発生する追加料金を計算した結果、売上の2倍に達する費用を支払わなければならないと推測します。 私たちは会社の破産を避けるために、ゲームエンジンを別のものに変更することにしました。
— Easy Pose / イージーポーザー (@EasyPoser) September 14, 2023
次から次へと手を挙げてる人が増えている…
企業がUnityを使わなくなると
現在Unityで生活している人は個人で企業の手伝いをして
報酬を得ている人もかなりいらっしゃいます。
なので売上の大きな企業からUnityを使っている人が不要となれば
と言ったことも考えられます。
勘が良い方は気づいているかもしれませんが
それはUnityの長所が失われる可能性でもあります。
情報がたくさんあって安定していた
Unityの長所が失われていきそう…
長所を失うと
利用料も高くて出回っている開発情報も少ないとあれば
今後大きい企業も含め、新しい利用者が増えづらいことは考えられます。
利用者が減っていき、企業が抜けた今のUnity税の負担を
誰が負担するのかといえば現在利用しているインディーになるのは自然な流れかと思われます。
悲しいけど誰かが
負担しないといけませんからね…
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次はUnity税を国の構造にたとえて説明したいと思います。
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