採用担当も「全てを見る時間がない」可能性を考える
ゲーム開発者は基本的に忙しいので
応募者も何人もいると、作品をじっくりみれるわけもなく
作品は多すぎると「本当に見て欲しい作品が見られない可能性がある」ということです。
採用する側も「あなたのゲームを余すことなく遊びたい」のではなくシンプルにあなたのスキルを知りたいだけです。
なので「多すぎて見づらい作品集」の提出は不要です。
その上、学生時はゲーム開発する時間は限られているのに「たくさんミニゲームを作った」せいで「クオリティが分散されてしまい1つ1つのクオリティが下がる」ことも起きてきます。
なので作品の数は絞って「卒業後、プロになってからも自分が作れる最高の作品」をアピールすることをお勧めします。
たまに勘違いされている方がいますが「採用されたからプロレベルになる」わけではなくて「すでにプロレベルの人がプロになる」ということを改めてお伝えしておきたいです。
提出した作品を紹介(プログラマー例)
就活時代に提出した作品は
の3作品です。
2Dゲーム作品は「学校提供のC++のDirectXライブラリ」を作ってコリジョン処理などは自作しました。3DゲームはC++を使ってDirectXライブラリを自作してモデル読み込みとコリジョン判定などを実装したものでサクッと作ったものでした。
ちなみにプログラマーの場合
「Unityなどのゲームエンジンを使わない」場合は評価が上がります。
こちらの記事でも「エンジンに依存した技術」について紹介しています。
余談:提出作品に載っていなかったスキル
ポートフォリオに含めた作品を除くと
在学期間中は他に下記のような作品を作りました。
ちなみに作品ではありませんが自作ライブラリにもチャレンジしており
専門学校3年次の段階で
採用には関係なかったかもしれませんが、「これぐらいのスキルがあったよ」という意味でお伝えしてみました。
これらのスキル蓄積のおかげか、入社試験、試用期間でも「この子はできる」と評価していただき在学中のインターン時に有名タイトルのプログラマーとして参加させてもらうことができました。
実スキルがないまま運良く入社出来たとしても「試用期間でクビ」や「作業についていけなくなる」などの可能性もあるのでもし心配な方は参考にしてみてください。
作品の紹介
では実際にどのような作品を提出したのか、参考程度にお伝えしたいと思います。
実は作品についてはいくつかすでにリメイクしていたりします。
SHOOTING
こちらは学生時の作品を一週間でUnityに移植したリメイクになります。
開発時期は1年次(18歳)の前半に作ったものです。
内容としてはシューティングゲームになっていてボスを倒すと終わるだけのものでした。
入学後初めて作った作品ですね。
初めてBGMを自分で作って、絵も全て自作なので
なんだかんだで思いれがある作品です
ただ個人的には初歩的すぎるゲームだったので作品提出に必要だったかと
言われれば「一番不要だったかもしれない作品」です。
作品は3つしか提出してなかったので
ただの賑やかし感はありますね。。。
妖言
こちらも現在リメイク中のゲーム「妖怪剣劇アクション妖言」の元作品です。
開発時期は1年次(18歳)の後半に作ったものです。
こちらは全ステージをプレイした動画となります。
そしてこれが私にとっての「規模大きめの密度の高い作品」でした。
開発はC++でDirectXの描画部分だけ学校の提供のものを利用した作品です。
絵や音楽は全て自作したので本当に大変でした…
どの会社でも基本的にこの作品が評価してくださっているようでした。
自作したマップエディタやプロジェクトを量産できる仕組みを作って開発していたのが特に評価されていたようです。
要するに「この程度のゲームをC++,DirectXを使って汎用的に作る」ことができればゲームクリエイターになれる可能性はかなり上がると言えそうです。
自分で言うのもあれですが、私が採用担当なら「ゲームエンジンを使わないでこのレベル」であれば書類選考は通すと思います。
3Dフライトゲーム
こちらは自作でC++、DirectXでモデル描画などを行なった自作エンジンで用いたゲームです。
動画は見つけれなかったのですが、見た目的には「鳥フライト」という以前作ったゲームに似ています。
3Dフライトゲームとなり、この「鳥フライト」のように凝ったグラフィックやスキンアニメーションは実装していませんでしたが飛行機モデルが旋回しながら敵機体をボムとショットを使って倒していくようなゲームです。(大昔のスターフォックスレベルのローポリです…)
見た目はしょぼく、密度もありませんでしたが、自分でゲームエンジンも作れるよ!というアピールとして提出した作品ですね。
「2Dゲームだけだと2Dゲームしか作れない人」と勘違いされるケースもあるので「3Dゲームもエンジンから作れちゃいます!」というアピールを含んでいました!おそらくこれも地味に採用時に響いてる感覚があります。
ポートフォリオの見易さも「選考の一部」
何度も言いますがなんでもかんでも作品を詰め込むと一番見てほしかったものを見てもらえない可能性があります。
作品が多すぎると本来見てもらわなくても良い作品で
「この子ダメだな」的なことも起きる可能性もありえます…
なので作品数を絞って、会社にアピールしたい自分が持っているスキルを最大限見せられるようにしたいところです。
ポートフォリオの見易さも選考のうちと考えておきましょう。
わかりづらいポートフォリオを作る人が会社に入れたとしてもユーザーに分かりやすいゲームを作れるとは思われませんよね。つまりそういうことです。
作品には全て「意味付け」をする
あと感づいている方もいるかもしれませんが
個人的には厳選した提出作品には自分なりに意味を持たすことを大事だと感じています。
私は提出した作品に下記のように「意味付け」をしていました。
アピールしたかった要素が足りてない場合はそれを目標に作品を作り、逆に提出した作品に意味づけできないのであればそれは提出しない方が良い作品かもしれません。
今回はここまで
今回は提出する作品についての注意点や私の学生時代に取り組んでいたゲームや実際に企業に提出した作品を紹介してみました。
私が当時意識していた「作品提出の考え方」が参考なれば幸いです。
次は実際に会社に応募した話をしていこうかと思います。
転職活動となると会社選びやマナー、様々な出来事もお伝えする必要があるので一旦ここで終わりたいと思います!
活動内容のPR
下記が本サイトでの活動内容となります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
主に作品提出について紹介してみました。
「どの程度の作品が必要なの?」と漠然としていた方の参考になれば幸いです。
有難いことに私の提出した作品や経歴で応募したところは満遍なく書類審査は通っていたので信憑性の高いポートフォリオだったのではないかなと感じています。
では引き続き本シリーズの「続き」を書いていきますのでご興味がありましたら
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では本記事をここまでお読みいただきありがとうございました。
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