今回は、前回に引き続き「ライズオブリベリオン – 地罰上らば竜の降る」についてのお話です。
前回はその完成度に驚かされたので、今回はさらに踏み込んで“どうやって作られているのか”を、開発者の視点から考察してみました。
あくまで想像ベースの話ではありますが、「こうやって作ってるんじゃないか?」という仮説を立てていくのは、自分にとっても勉強になりますし、きっと読んでくれる方にも何か気づきがあると思います。
前回の記事
背景の作り込みがすごい
まず注目したのは背景です。このゲーム、とにかく背景が丁寧に作られているんです。
おそらくHoudiniなどの“プロシージャル生成”ツールを活用しているのではないかと感じました。
プロシージャル生成とは、建物や木などをルールに基づいて自動で配置してくれる技術です。
この仕組みをうまく使えば、大規模なマップでも効率的に制作できますし、ルールの設定次第で自然な景観を作ることもできます。
ただし、重要な通路や注目スポットは手作業で調整されているはず。プロシージャルと手作業のハイブリッド、それこそがこの背景の丁寧さを支えているんじゃないかと思いました。
シームレスなオープンワールド設計
このゲームは、マップを読み込むタイミングが自然で、ロードを感じさせません。
これは“ストリーミングロード”と呼ばれる仕組みで、必要な場所だけ読み込み、遠ざかった場所は破棄していく設計がされているからです。
この処理はメモリ管理が非常にシビアで、特に低スペック機(Switchなど)で動かすことを想定すると相当なチューニングが必要になります。
それでもプレイ中に違和感がないのは、裏側でかなり綿密に設計されている証拠です。
遠景までしっかり描写されていることも含めて、視覚的な没入感と技術的なバランスが絶妙だと感じました。
滑らかなモーション制御
キャラクターの動きも非常に滑らか。これは「モーションブレンド」の力だと思います。
立ちから走る、攻撃へ移る、回避する
これらをいちいち個別にアニメーションで作っていたら膨大な手間がかかります。
そこで数学的に補間して繋げる「モーションブレンド」を使うと、少ないモーション数でも自然な動きが表現できるんです。
ただし、補間しすぎるとテンポが悪くなったりするので、ブレンドの強さはモーションごとにチューニングが必要。
首の動きや視線、ダメージリアクションなども“加算ブレンド”で合成されていると思います。細部まで丁寧に作られているなと感心しました。
エフェクトと戦闘の気持ちよさ
戦闘の気持ちよさを支えているのが、しっかり作り込まれた“エフェクト”です。
攻撃がヒットしたときの光、衝撃、爆発…これらがあることでプレイヤーは「ちゃんと当たってる」「強そう」と直感的に感じられます。
地味に見える部分ですが、ゲームの没入感を支える大事な柱だと思いました。
豊富なギミックと探索の楽しさ
仕掛け扉、宝箱、エレベーター、スイッチ…そうした“ギミック”も盛り込まれていて、探索が単調にならない工夫がされています。
こうした要素は開発コストの都合で削られがちですが、丁寧に実装されていることに開発者の“こだわり”と“やる気”を感じます。
ストレスを感じさせないUI
メニューや情報表示のUIも、地味ですが非常に大事な要素です。
このゲームでは、UIにもアニメーションが加えられていたり、情報が見やすく整理されていて、プレイヤーが自然に扱えるようになっています。
UI専属の担当者がいなくても、ここまで仕上げられているのは本当にすごいと思いました。
開発技術の挑戦と完成度
背景、モーション、UI…どれを取っても“難しいことに挑戦している”と感じさせられます。
特に、オープンワールドやモーション制御は、調整が甘いとすぐにバグや処理落ちにつながるため、完成まで持っていくのが本当に難しいジャンルなんです。
それでもちゃんと“遊べるレベル”に落とし込んでいるところに、この開発チームの技術力と情熱を感じました。
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